Small Worlds: The Dynamics of Networks between Order and Randomness

More intense on statistics than stories.

この書物は自分の周りにたった５人いれば世界中の人とネットワークができ上がると言うスモールワールドを実験検証したダンカン・ワッツのペーパーバック版である。　ネットワーク理論の書物は数あれども、たとえそれに興味をもっていても生物学者にとってはなかなか取り付く島がなかった。スチュワート・カウフマンの「自己組織化と進化の論理」と読み合わせるとかなり理解ができ、なるほど「ザ・ガッテン」と納得がゆく部分が多く読んでいて嬉しくなる書物であった。　そもそも世の中の様々な現象、あるいは生物学のなかでも化学反応系や遺伝子やタンパク質のネットワークが最近注目され、それらのデータバンクやソフトウエアも多数用意されている。バイオインフォーマテイックスやデータマイニングの新しい分野にコンピュータは必要であり、また多少の数式を理解する必要がある。　英文は少し我慢して慣れて来ると、とても読みやすくて、大敵の数式もくり返しながめていると少しずつでも分かってくるように記述されているのが入門者には嬉しくもあり楽しい。　内容は誠に充実していて読み応えがあるが、できればCDやネットワークを解析するソフトなどが付録としてついているとなお嬉しくなるそんな書物であった。